弁護士森田匡貴のブログ

法律的な記事を投稿するブログです。

離婚Q&A その1

このところ色々と仕事も私生活もバタバタしてまして、ブログ更新ができませんでした。
忙しいという言い訳だけはしない大人になりたかったのですが・・・言い訳しちゃいましたね。
さて、私は最近これまでの自身の離婚事件の経験を生かそうと、離婚弁護士サーチというサイトに登録させていただきました。
http://rikonbengoshi-search.com/suzuki/

当サイトでは、離婚に強い弁護士とうたっていながら、自分のブログには離婚の記事を載せていなかったなぁと最近気づきまして、暫くブログでは、離婚問題の解決に当たって皆さんが疑問に思うであろうQ&A的な記事を載せていこうと思います。
離婚で悩まれている方の参考になれば幸いです。

Q 離婚を決意したときに考えなければならないことは?
A 1 まずは、離婚について相手が同意しているか、話し合いができているかを考え、相手方の同意が得られるのであれば協議離婚、得られない場合は裁判手続きによる離婚をする必要があります。
  裁判による離婚をする場合は、法律上の離婚事由(婚姻を継続し難い重大な事由など)があることが必要となります。また、離婚訴訟を提起する前に離婚調停をしなければならないので、留意ください。
 2 次に子どもに関することです。未成年の子がいる場合は、親権者を誰にしたいか、養育費はいくら求めるか、監護権を失う場合は面会交流をどのくらいの頻度で求めるかなどを検討します。
 3 そして、お金に関することです。財産分与、慰謝料、年金分割(合意または裁判所の手続きによって定められた按分割合に従って婚姻期間中の年金を分割できる。)、婚姻費用分担(別居後、離婚成立までの婚姻中の生活費の分担)をどうするか検討します。

Q DV被害に遭ってます。避難する方法など相談したいのですが・・・
A 配偶者暴力支援センター
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html
や各地のシェルターに問い合わせて事情を話し、助言を求めてください。
一時的な避難先等を紹介してもらえ、今後の生活に必要な情報提供をしてもらえます。また、各種関係機関に橋渡しする窓口となってくれます。
裁判所への保護命令の申立ても検討すべきです。

Q 別居する際、夫(または妻)のキャッシュカードを持ち去り、夫(または妻)名義の預金を引き出して使うことは違法でしょうか?
A 当該口座が夫婦がともに使用している口座であれば、名義人が相手方であっても原則として違法にはなりません。この場合は実質的には夫婦の共有財産とみなされ、共有財産を自分の持分を超えて持ち出したに過ぎないと解されるからです。
判例でも、「婚姻中の夫婦の一方が、夫婦共有財産について、当事者間で協議がされるなど、具体的な権利内容が形成されない限り、相手方に主張することのできる具体的な権利を有しているものではないと解すべきであるから、・・・夫婦共有財産である原告名義の預金を原告に無断で払い戻した・・・としても、・・・具体的な権利が侵害されたということはできず、原告は被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求をすることはできない」(東京地裁平成25年4月23日判決)、「婚姻関係が悪化して、夫婦の一方が別居決意して家を出る際、夫婦の実質共有に属する財産の一部を持ち出したとしても、その持ち出した財産が将来の財産分与として考えられる対象、範囲を著しく逸脱するとか、他方を困惑させる等不当な目的をもって持ち出したなどの特段の事情のない限り違法性はなく、不法行為とならない」(東京地裁平成4年8月26日判決判タ813・270)などの判断がなされています。
もっとも、持ち出した部分は財産分与の際に斟酌されますので、財産分与でもらえる額はその分調整されることになります。

Q 何年くらい別居していると離婚が認められるの?
A ケースバイケースなところもありますが、通常4年から5年程度の別居期間があれば、「婚姻を継続しがたい重大な事由」があると判断され、離婚が認められることが多いようです。
もっとも、有責配偶者からの離婚請求の場合はより長期でなければ認められません。10年間の別居であっても離婚が否定された裁判例もあるくらいです。
逆に有責配偶者が離婚請求される場面では、比較的短期間の別居でも離婚が認められる傾向にあります。2年4か月という短い別居期間でも離婚が認められた判例もあります。

Q 有責配偶者って何?
A 夫婦関係が破綻したことにつき、責任を負うべき配偶者を指します。
具体的には不貞行為や暴力行為が典型例ですが、これに限られるものではありません。
有責配偶者からの離婚請求が認められるためには、非常に厳しい条件が課せられるので、留意が必要です。